川崎市獣医師会
本記事は、公益社団法人川崎市獣医師会に所属する獣医師の専門的な監修のもと執筆しています。
嘔吐·下痢は「よくある」症状ではあるが、油断は禁物
犬や猫の嘔吐・下痢は日常的に多くみられる症状です。「また吐いたけど元気そう」「よくお腹を壊すから大丈夫」と軽視されがちですが、嘔吐や下痢は軽い胃腸炎から命に関わる中毒・感染症・腸閉塞まで幅広い疾患のサインである可能性があります。特に若齢・高齢、ぐったりしている、水を飲んでも吐く、誤食の可能性がある場合は緊急性が高く、様子見は危険です。
嘔吐·下痢の主な原因
1.胃腸炎
フード切り替え、ゴミ漁り、ウイルス・細菌感染など。嘔吐と下痢が同時に起きると脱水が急速に進みます。
2.誤食(中毒・異物)
チョコ・玉ねぎ・ブドウ・キシリトール・観葉植物・乾燥剤・とうもろこしの芯・布・ひもなど。異物は腸閉塞の危険があります。
3.膵炎
中高齢犬に多く、激しい嘔吐・食欲低下・腹痛を伴い重症化しやすい疾患です。
4.腎臓・肝臓・内分泌疾患
臓器の異常により嘔吐・下痢が起こることがあります。
5.寄生虫
回虫・鉤虫・コクシジウム・ジアルジアなど。
6.中毒
人の薬、化学物質、殺虫剤など。嘔吐や下痢のほか神経症状が出ることもあります。
急を要する危険な症状
以下の症状がある場合は即受診が必要です。
- 何度も吐く、止まらない
- 血便、血を吐く
- ぐったりして動かない
- 水を飲んでも吐く
- 腹部が張って痛がる
- 異物誤食の可能性がある
- 子犬・子猫、高齢動物
- 嘔吐と下痢が同時にある
- 吐いたものに異物が混ざる
自宅でやってはいけないこと
誤った対応は悪化を招きます。
- 無理に食べさせる
- 自己判断で吐かせる(逆に危険)
- 人間用の胃薬・下痢止めを使う
- 長時間様子を見続ける
- 大量の水を飲ませる
特に“吐かせる処置”は獣医師の指示なしでは絶対に行ってはいけません。
自宅でできる応急処置
嘔吐のみで比較的元気がある
短時間の絶食(6〜12時間)で胃を休めます。ただし子犬・子猫・高齢動物は絶食NG。
下痢のみで元気がある
少量の水分補給、消化の良い食事。
嘔吐と下痢が同時
脱水が急速に進むため自宅対応は危険。即受診が必要です。
動物病院で行われる検査
原因を把握するため以下の検査を行います。
- 身体検査(脱水・腹痛)
- 血液検査(臓器異常、炎症、電解質)
- レントゲン検査(腸閉塞の有無)
- 超音波(膵炎、腫瘍など)
- 糞便検査(寄生虫、細菌)
- 造影検査(異物疑い)
動物病院での治療
- 点滴(脱水補正)
- 吐き気止め
- 整腸剤
- 抗生剤
- 膵炎治療
- 解毒処置(中毒)
- 異物の内視鏡除去
- 腸閉塞の場合は外科手術
嘔吐・下痢は“止める”だけでなく、原因治療が重要です。
川崎市獣医師会夜間動物病院の役割
嘔吐・下痢は夜間に急激に悪化することが多い症状です。
- 危険な症状
突然激しく吐き始めた、誤食に気づいた、ぐったりしてきた、水も吐くようになった
このような場合、朝まで待つのは危険です。川崎市獣医師会 夜間動物病院(20:00〜24:00/最終受付23:30)へ相談してください。
川崎市獣医師会 夜間動物病院
電話番号:044-811-9950
受付時間:午後8時~深夜0時(最終受付 23時30分)
不定休
川崎市獣医師会 夜間動物病院 公式ページ:https://www.kvma.or.jp/night/
日頃からできる予防策
- 誤食防止(ゴミ箱はフタ付き、小物管理)
- フード管理(急な切り替えは下痢の原因)
- 寄生虫予防
- 定期健診(中高齢では年2回)
嘔吐・下痢の背景に慢性疾患が隠れていることもあります。
まとめ
嘔吐や下痢は軽い症状に見えても危険なサインです。
危険なサイン
繰り返す、血が混ざる、ぐったり、水も吐く、異物誤食が疑われる
これらが当てはまれば早急な受診が必要です。夜間は川崎市獣医師会 夜間動物病院へ相談してください。






