呼吸が苦しそうなときに考えられる危険と対応―一刻を争うサインを見逃さないために―

呼吸困難
川崎市獣医師会

川崎市獣医師会

本記事は、公益社団法人川崎市獣医師会に所属する獣医師の専門的な監修のもと執筆しています。

目次

なぜ「呼吸が苦しそう」は最優先の緊急症状なのか

犬や猫がゼーゼーと苦しそうに息をしている、口を開けてあえぐように呼吸している、じっと座ったまま動けないなど、こうした様子は酸素が十分に体に取り込めていない「呼吸困難」の可能性があります。呼吸は生命維持の最優先機能であり、数分の酸素不足でも脳や心臓に重大なダメージが起こります。「少し落ち着いたから様子を見る」は重要な治療機会を逃す危険があります。

呼吸が苦しくなる主な原因

呼吸困難の原因は、空気の通り道・肺・心臓・血液・全身状態など多岐にわたります。

1.上気道の異常

喉の炎症、異物誤飲、短頭種気道症候群、咽喉頭麻痺など。

2.肺・胸腔の異常

肺炎、肺水腫、気胸、胸水・血胸、腫瘍など。

3.心臓の異常

僧帽弁閉鎖不全症、心筋症、不整脈など。

4.血液の異常

重度の貧血、一酸化炭素中毒など。

5.全身性の異常

熱中症、アナフィラキシー、神経疾患など。

呼吸異常のサイン

呼吸困難は“見た目の違和感”から始まります。

  • 呼吸数の増加(40回以上/分で危険)
  • 口呼吸、あえぐような呼吸(猫では特に異常)
  • お腹を大きく使った呼吸、奇異呼吸
  • 首を伸ばした姿勢(起立呼吸姿勢)
  • 舌や歯ぐきの色が青紫(チアノーゼ)
  • 疲れやすい、伏せたまま動かない、失神などの行動変化

絶対にしてはいけないこと

呼吸困難時は“良かれと思って”の行動が悪化を招きます。

  • 強く抱きしめる(胸を圧迫)
  • 無理に歩かせる
  • 口を開けさせて喉を触る
  • 人間用の薬を飲ませる
  • 長時間の様子見

特に抱き上げ時の胸圧迫は非常に危険です。

自宅でできる応急処置

  • 静かで涼しい場所に移動
  • 首輪やハーネスを緩める
  • 無理に動かさず、刺激しない
  • タオルで担架のように移動させる方法も有効
  • すぐに動物病院へ連絡し、状態を伝える

かかりつけが閉まっている場合は、川崎市獣医師会 夜間動物病院(20:00〜24:00/最終受付23:30)へ。

動物病院で行われる検査·治療

呼吸困難の治療は時間との勝負です

検査
  • 聴診、酸素濃度測定
  • レントゲン(肺水腫・気胸・胸水など)
  • 超音波(心臓)
  • 血液検査(炎症・臓器機能・貧血など)
  • 長時間の様子見
治療
  • 酸素投与(酸素室・マスク)
  • 利尿薬(心不全・肺水腫)
  • 抗生剤(肺炎)
  • 気管支拡張薬
  • 胸腔穿刺(胸水・気胸)

原因を特定しつつ呼吸を確保することが最優先です。

川崎市獣医師会夜間動物病院の役割

呼吸困難は夜間に急変することが多い症状です。川崎市獣医師会 夜間動物病院(20:00〜24:00/最終受付23:30)は急変時の重要な受け皿です。「少し楽に見える」は危険であり、迷ったらすぐに相談を。

川崎市獣医師会 夜間動物病院

電話番号:044-811-9950
受付時間:午後8時~深夜0時(最終受付 23時30分)
不定休
川崎市獣医師会 夜間動物病院 公式ページ:https://www.kvma.or.jp/night/

予防·早期発見のポイント

  • 心雑音がある場合は定期検診を受ける
  • 短頭種の肥満と暑熱環境を避ける
  • 咳が増えたら受診
  • 誤飲防止の徹底
  • シニア期には半年〜年1回の健康診断

呼吸器・心臓病は早期発見が最も有効な対策です。

まとめ

呼吸が苦しそうなときは“すべての症状の中で最も緊急性が高い”と考えてください。

具体的なサイン(呼吸数・舌の色)を観察/胸を圧迫しない、無理に動かさない/涼しい安全な環境を整える/ためらわず動物病院へ連絡・受診

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