とうもろこしを丸ごと食べちゃった!芯の誤食が引き起こす危険とは?

とうもろこしの丸呑みは危険

夏の風物詩である「とうもろこし」。甘くて香ばしい香りに誘われて、ついテーブルから犬が丸ごと食べてしまった――そんなご相談が毎年のように寄せられます。実はこの「とうもろこしの芯の誤食」、見逃せない健康リスクを伴います。

川崎市獣医師会

川崎市獣医師会

本記事は、公益社団法人川崎市獣医師会に所属する獣医師の専門的な監修のもと執筆しています。

目次

芯の誤食が危険な理由

とうもろこしの芯は、非常に硬く、消化されにくい繊維質でできています。そのため、犬が芯を丸飲みしてしまうと、消化管を通過できずに途中で詰まってしまう「腸閉塞」を引き起こすリスクがあります。腸閉塞は、放置すれば命に関わる緊急疾患です。

受診が必要な症状

  • 繰り返し吐く
  • 食欲がない
  • 排便がない、または異常がある
  • お腹を丸めて痛がる
  • 元気がない

※このような症状が出た場合は、すぐに動物病院を受診する必要があります。

実際にあったケース

当会会員病院でも、とうもろこしの芯を丸飲みしたことで開腹手術が必要になった症例があります。X線やエコーで確認し、腸内に芯が詰まっていることが判明。内視鏡での除去が不可能だったため、開腹して腸を切開し、芯を摘出しました。飼い主様は「芯は硬いから、食べないと思っていた」と驚いておられましたが、実際には香ばしいにおいと甘みで食欲をそそるため、犬はためらわずにかぶりついてしまうことがあります。

とうもろこしは与えていいの?

とうもろこしの粒部分(実)は、少量であれば加熱して与えても問題ないとされています。ただし、

  • バターや塩、調味料はNG
  • 喉に詰まらないようにほぐす
  • アレルギーに注意

といった点に注意しましょう。また、与えるときは必ず芯を取り除いた状態で与えるようにしてください

誤食してしまったら

もし芯を誤って飲み込んでしまった場合、症状が出ていなくても、すぐに動物病院へご相談ください。場合によっては、催吐処置(吐かせる処置)や内視鏡、さらには手術が必要になることもあります。

夜間だった場合は?

川崎市獣医師会が運営する「川崎市獣医師会 夜間動物病院」(夜間20時〜24時、最終受付23時30分)では、夜間の緊急相談にも対応しています。愛犬がとうもろこしの芯を飲み込んだ可能性がある場合は、迷わず下記までご相談ください。

夜間動物病院外観

川崎市獣医師会 夜間動物病院

電話番号:044-811-9950
受付時間:午後8時~深夜0時(最終受付 23時30分)
年中無休
川崎市獣医師会 夜間動物病院 公式ページ:https://www.kvma.or.jp/night/

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