保護犬のMoonが教えてくれた、最期まで寄り添うということ。愛護センターから病院の仲間になった14歳のボーダーコリーとの一年

かわペットでは、ペットと暮らす皆さまに向けて、命と向き合う現場での出来事や、日々の暮らしの中で大切にしたいことをお伝えしています。

今回は、愛護センターから迎えた14歳のボーダーコリー「Moon」と過ごした約1年間、そして最期のお別れについてお話しします。

Moonがそれまでどんな毎日を過ごし、なぜ愛護センターに収容されることになったのか、私たちには分かりません。分かっていたのは、高齢であること、そして残された時間が決して長くはないかもしれないということだけでした。

だからこそ、「最期まで安心して過ごせる場所をつくってあげたい」。そんな思いでMoonを迎えました。

14歳のボーダーコリー「Moon」

Moonらしさを受け止めながら過ごした一年

Moonは、とても個性的な子でした。

好き嫌いがはっきりしていて、自分の気持ちはしっかり伝えるタイプ。頑固な一面に困ってしまうこともありましたが、それもMoonらしさでした。

心を許した相手にだけ見せる穏やかな表情や、安心して眠る姿を見るたびに、「ここを安心できる居場所だと思ってくれていたらいいな」と願っていました。病院で過ごした約1年は決して長い時間ではありませんでしたが、Moonはスタッフだけでなく、来院される飼い主さまにも親しまれ、多くの笑顔を届けてくれました。

そして先日、Moonは静かに旅立ちました。

最後まで大切に見送りたい

協力:平和会ペットメモリアルパーク(https://www.heiwakai.co.jp

Moonとの最後のお別れは、病院スタッフ全員で見送ることにしました。お見送りをお願いしたのは平和会ペットメモリアルパークです。

施設に到着すると、事前にお送りしていた写真をもとに、大きな遺影を祭壇に飾ってくださっていました。祭壇には平和会で用意していただいたお花が飾られ、さらに私たちが持参したお花もスタッフ全員で飾り付けをしました。

たくさんのお花と大きな遺影に囲まれたMoonは、とても穏やかな表情で、まるで眠っているようでした。スタッフ全員でゆっくりと最後の時間を過ごし、一人ひとりが「ありがとう」「よく頑張ったね」と声をかけながらお別れをしました。

その後、Moonは静かに火葬へ。

火葬を待つ間は、平和会の敷地内をゆっくり歩いて過ごしました。園内はきれいに手入れされ、とても静かな環境でした。スタッフ同士で「あのときは本当に頑固だったね」と笑いながら思い出を語り合い、Moonと過ごした約1年を振り返ることができました。

慌ただしく時間が過ぎるのではなく、気持ちを整理しながら過ごせたことは、とてもありがたく感じました。火葬が終わると、スタッフの方がお骨を一つひとつ丁寧に説明してくださいました。どの部分のお骨なのかを教えていただきながら、スタッフ全員で収骨を行い、Moonを見送りました。

Moonが教えてくれたこと

愛護センターに収容された犬には、それぞれ理由があります。その理由を私たちは知ることはできません。でも、その子の命の価値が変わることは決してありません。

Moonは少し頑固で、好き嫌いも激しく、手のかかる子でした。それでも私たちにとっては、かけがえのない病院の仲間でした。

保護犬だから、高齢犬だからといって、その命の重さは変わりません。

安心して過ごせる場所があり、多くの人に愛され、最期は「ありがとう」と見送られること。Moonは、その大切さを私たちに教えてくれました。約1年という時間は決して長くはありませんでしたが、Moonとの日々は私たちにとって忘れることのできない時間です。

感謝を込めて

最後になりましたが、Moonとのお別れに際し、温かく対応してくださった平和会の皆さまに心より感謝申し上げます。事前にお送りした写真から遺影をご用意いただき、お花を飾る時間も大切に見守ってくださいました。

祭壇でのお別れから火葬、収骨まで、私たちが落ち着いてMoonと向き合えるよう、終始丁寧に寄り添ってくださったことに深く感謝しています。おかげで、悲しみだけではなく、「ありがとう」という気持ちでMoonを送り出すことができました。

この記事が、保護犬や高齢犬との暮らし、そして大切な存在とのお別れについて考えるきっかけになれば幸いです。

  • URLをコピーしました!